屋久杉のナイフ(小)

木の加工は引き算である。
だから削りすぎたら全体を小さくしながら修正するしかない。それには多くの手間を要し、厳密に繰り返してゆけば、次第に別のものになってしまう。そんなことで何度途中で投げ出してしまったことだろう。
しかし、削りすぎや逆目で深くささくれてしまっても、たいがいの場合は、丁寧に周りとなじませるような加工をしていけば形が整い、それなりの存在感を放ちはじめる。
木目の持っている力といえようか。
わざの至らなさを受け入れてくれる、木のふところの深さを感じるときである。