塗装後のもの

塗装後のもの

塗装後のもの

塗装後のもの

塗装前の、削りあがったばかり

塗装前の、削りあがったばかり

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屋久杉パン皿 180×180×13

木を削る作業をしていると、素材に引き込まれてしまう感じになることがある。
それは「作ろう」といいう自分の意思とは異なって、削るたびに現れる木目の美しさに対する驚きのようなもので、発掘調査のような気分である。
この屋久杉のパン皿を削っているときに、ちょうどそんな気分におそわれた。
一カンナごとに現われるのは、まるで寄木細工か、銘木の練り付け、木目印刷でしか見たことないような繊細な模様・・・でもこれはまぎれもなく無垢の木そのものなのだ。

樹齢千年を超える屋久杉のなかでも、古いほうに属するのではないだろうか。
屋久杉自体は、2001年に伐採が禁止されていて、15年ほどは埋まった倒木(土埋木=つちまいぼく)がわずかに市場に出ていたそうだから、この屋久杉もそうした土埋木だと思われる。
生木の色や脂分が抜けて、枯れた色合いと緻密な木目がおりなす風合いは、人の営為などを超えた悠久の時を感じさせる。

加工の点でいえば、この木は目ががつんでいるけれど、軽くて柔らかい性質は杉そのものである。
鋼の刃はさっくりと入っていくが、薄く削りこんっでいくと”パキッ”といってしまう。
はやる気持ちをおさえて、小さめの刃でゆっくり削りだしていかなければならない。
素材の力によって、杉の香りのする美しいパン皿ができあがった。